小規模多機能施設

 小規模多機能施設
今週の水曜日、患者さんが亡くなりました。施設でのお看取りは初めてです。施設では職員が不安がったり、すぐに病院に入院させたりして、看取りが難しいことが多い。この度の小規模多機能施設の職員さんは覚悟をもってがんばってくれました。看護師さんも一人しかいないのに休日返上で、毎日点滴してくれました。
小規模多機能施設、必要なときにいつでも患者さんを預かってくれる、厚労省切り札の施設です。しかし、サービスを提供する側からすると小規模で人的資源もない中ですべての要求に応えないといけない、介護報酬もそう高くありません。そんな中でも懸命に地域の介護、医療を支えておられます。

うれしいニュース: てんかん患者さんに赤ちゃん誕生

 

最近、うれしいニュースが2件ありました。
私の診ているてんかん患者さん2人に赤ちゃんが誕生したのです。

てんかんの患者さんは発作を押さえるために長期間、薬をのまないといけないのですが、薬をのんでいる患者さんの胎児には身体の奇形がでる確率が他の方より幾分高いことが分かっています。

しかし、薬の量や、種類を工夫することによりそのリスクを低くすることが可能です。
当院では女性の場合、将来的な妊娠出産について、長期的は投薬治療を考慮しています。
すでに当院のてんかん患者さんで薬をのみながら出産され、元気で子育てをされている方が10人以上おられます。
中には3人出産された方も数人おられます。
子供さんに身体奇形があった方は幸いに一人もおられません。

今回は薬を安全性の高いものに変更し、計画妊娠していただきました。
予定日直前に発作があったので心配していましたが、母児とも無事とのことでほっとしています。
このように皆さんがある程度のリスクをとりながら、立派に出産、育児をされているのはすばらしいことだと思います。

最後に強調したいのは、薬のリスクを怖がり、無断で服薬を中止することは絶対にしないでください。
妊娠中に発作が起きると、母児ともに非常に危険な状態になります。
このことは、薬のリスクよりはるかに高いことを忘れないでください。



多発性硬化症(MS)と腸管免疫

 5月18日は名古屋国際会議場で開催された日本神経学会に参加しました。
朝の7時40分から夜の8時までのハードスケジュールでした。その中でも興味深かったのは国立精神神経センター山村先生の腸管免疫とMSの話でした。

 元々、MSは欧米に多く、日本を始めとするアジアには少ない。日本では北海道には比較的多いといわれていました。
それが、最近日本で患者さんが増えています。また、日本人でも欧米に数年在留した短期間にMSを発症される方がおられることがわかってきました。
MSと同様に日本で増加している消化器の疾病があります。クローン病や潰瘍性大腸炎などの免疫が関係する疾患です。これらも将来、現在問題になっているB,C型肝炎などの感染症に取って代わり、日本で大きな問題になるといわれています。

 MSや消化器免疫疾患の増加が日本人の食生活の変化、つまり、魚や海草などの海産物中心の食事から乳製品や動物性の蛋白中心の食事の変化によるものではないかということです。

 実際、食生活が変わると腸管の細菌叢が変化するそうです。細菌叢が変わると腸管の免疫環境も変化してきます。特に注目されるのがTh17細胞というリンパ球が増加することです。この細胞は最近、MSや腸管免疫疾患の発症に深くかかわっていることが分かってきています。

 ここでも古来の日本食の良さが見直されていました。

名古屋国際会議場

名古屋国際会議場

2011神経学会

講演風景


大丈夫?

 大震災に罹災された方々にお見舞い申し上げます。
原発の件ですが、これまで私たちは”大丈夫”と説明されてきました。
私はこの分野の素人で、詳しいことは分かりませんが、この世には震災もあれば、戦争でミサイルが飛んでくることもあるだろうし、テロで爆破されることもあるだろうと思っていました。
”大丈夫”ということはそれらにも対応できるように準備できていると思っていたのですが、実際はそうではなかったようです。

 一般的に自分のことを”大丈夫”という人は実際には”大丈夫”ではないことが多いと思います。
アルツハイマー型認知症の患者さんは自分のことは”何も問題はない”といわれます。
自分が認知症ではないかと心配してこられる方はたいてい大丈夫です。
脳卒中などの大きな病気をされた方にも”これまでは健康で悪いところはなかった。”といわれる方がおられます。実際は悪いところがなかったのではなく、悪いところはあったけれど自覚症状がなかったので放置していた、と考えるべきでしょう。

 世の中には本当に大丈夫ということは滅多にないと考え、注意、予防をすることが重要だと思います。

インフルエンザがブレークしています。

  先週の終盤から今週にかけ、発熱患者さんが急増しています。
半数くらいがインフルエンザAが陽性ですが、残りの検査陰性の患者さんもインフルエンザの
可能性が高いように思います。
20代から40代あたりの患者さんが多いように思います。

 現在のインフルエンザAの患者さんの約7割が、昨年流行した新型インフルエンザだそうです。
ワクチンを打っておられない方は免疫がまったくない可能性が高いので非常に感染しやすいし、
重症化する可能性も高いと思います。

 昨年、あれほど騒いだのに、ワクチンを打っておられない方が多いのは残念です。
”のど元過ぎれば、、、”ですね。
感染症に対してはすべての人に危機管理意識が必要だと思います。

 今となっては手洗い、マスク、人混みを避けるなどの予防の徹底と発熱すれば早い目に医療機関を受診することが必要と思います。

 当院に受診される際は電話でご予約をとっていただくようお願いします。
当院では発熱患者さんは入り口から診察が終わられるまで、他の患者さんとは完全に接触されないよう、考慮しています。
スペースに限りがありますし、混雑することもありますので、予約時間どうりに診察できないこともあります。その節はご容赦いただくようお願い申し上げます。

肺炎の恐ろしさ

  最近、肺炎の恐ろしさを身近で経験することが多くあります。
肺炎は病気自身も生命を脅かすことがありますが、それよりも高齢者や
脳卒中、パーキンソン病などの神経的基礎疾患をお持ちの患者さんにとり恐ろしいことがあります。
それは、肺炎により入院するとベットの上の生活になることです。
点滴に24時間つながれ、身動きができなくなることです。
食事もテーブルでなくベットの上で食べないといけないことです。
高齢者や神経疾患の患者さんはそれだけで足が弱って歩けなくなります。

 食事もちゃんと椅子に座って食べなければ、食事が気管に入って肺炎を悪化させます。
肺炎が重症だと、絶食になることもあります。
この状態が1週間以上も続けば栄養障害などでさらに歩けなくなります。
重症な方は嚥下ができなくなって、胃にチューブを入れて栄養を入れる、”胃瘻”と
呼ばれる手術を受けるはめになります。

当院の患者さんが肺炎で入院されると半分近くの方が帰ってこられません。
寝たきりや嚥下障害になり、長期療養型の病院に転院されたり、中には亡くなられる方もおられます。

 そのような、理由で当院では肺炎のリスクの高い方には肺炎球菌とインフルエンザのワクチンを
強くお勧めしています。

てんかん診療が変わる。

  私は最近、てんかんの診療に興味を持ち、機会もみては勉強させていただいています。
その中で、分かってきたのは、今後数年以内にてんかん診療が劇的に変わるであろうということです。

 この20年近く、日本にはてんかんの新薬がほとんどありませんでした。しかし、この数年で欧米で以前から使われていたてんかんの薬が相次いで日本にはいってきました。今後もいくつか入ってくるようです。これらの薬の特徴は発作を抑制する可能性が高い、副作用や他の薬に対する影響が少ないなどの特徴があるといわれています。
当院でも少しづつ、新しい薬を使い始めています。今のところ大きな副作用もなく、効果も高いように思います。数年以内に日本のてんかんの薬が以前より様変わりしてしまうかもしれません。

しかし、新薬も副作用など負の部分もあります。負の部分にも気をつけながら必要な患者さんには使用していきたいと考えています。

 それから、迷走神経刺激装置が保険の認可を受けたようです。これはペースメーカーのようなものを皮膚の下に埋めこんで神経を刺激すると発作を抑制できるというものだそうです。

 てんかんは内科領域だけでなく、外科領域でも進歩していますね。

肺年齢



 この度、当院で呼吸器機能検査が可能になりました。
呼吸機能検査ではおなじみの肺活量だけでなく、気管や肺胞といわれる気道に狭窄があるかどうかの判定ができます。
喫煙者に多い慢性閉塞性肺疾患(COLD)、(肺気腫が代表的な疾患です)などの早期診断に有用です。

 最近では”肺年齢”として分かりやすく結果が表示されます。
喫煙者、息切れなどのある方は是非、呼吸機能検査をお受けください。


スパイロメーター

むずむず足症候群

 
 最近、むずむず足症候群ではないかという患者さんがよく受診されるようになりました。
昨年、この病気の治療薬が認可され、マスコミでもよく取り上げられるからでしょうか。

 この疾患は別名レストレスレッグス症候群(RLS)と呼ばれ特に夜間、就寝時に足がむずむずしてじっとして居れず、眠れなくなるというものです。

 腎不全や貧血、パーキンソン病などの方に多いといわれています。
原因は鉄の欠乏や脳内のドーパミンという物質が不足するために起こると考えられています。

 いくつか治療薬がありますので診断、治療を希望される方は当院でご相談ください。

CSPS-脳卒中の再発予防

 1月30日(土)は東京でCSPS兇箸いΑ大規模臨床研究の結果発表があったので聞きにいってきました。これまで脳梗塞を発症した患者さんはアピリンという薬をのんでも、シロスタゾールという薬を飲んでも、飲まないときに較べて脳卒中の再発が少ない事が分かっていました。
しかし、アスピリンとシロスタゾールのどちらの方が脳卒中の再発をより少なくできるかということは分かっていませんでした。

 そこで、どちらがより有効かを決めるために脳梗塞の患者さんの協力の元、
どちらかの薬をご本人にも主治医にも分からないように飲んでいただき、脳卒中の再発がどちらでより少ないかを調べたのです。

 日本中で約2000人の患者さんに協力していただき、約5年の年月をかけて調べたのです。このためには多くの費用と労力を必要としました。このような大規模な研究が行われたのは日本では初めてかもしれません。

 このような研究を行わないと、患者さんに本当に役立つ薬がどれなのかが分からないのです。
そういう意味で今回の研究が完遂できて本当によかったと思います。

 当院ではこのような結果をできるだけ重視し、患者さんにとってより安全で効果的な治療はどれなのかということを常に念頭に入れて診療を行っていきたいと考えています。

CSPS2東京タワー

会場の芝のプリンスホテルからは東京タワーが目の前にそびえていました。

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